人間のからだの大部分（血液・皮膚・筋肉・神経・内臓・骨など）は、アミノ酸から出来ています。たとえば、体重50kgの成人では、30kgが水、15kgがアミノ酸、残り5kgのうちの大部分が脂質、そして、糖質がちょっぴりというところが平均値です。このような構成の人間のからだは、絶えず生まれ変わっていますので、当然、新しいアミノ酸の補給が必要です。このアミノ酸のうち、からだの中でつくられないアミノ酸8種を必須アミノ酸といい、これは、必ず食物からとらなければなりません。このうち、ひとつでも欠けると健康の維持は出来ないのです。

• メチオニン
  フェニールアラニン
  リジン
  トリプトファン
  イソロイシン
  ロイシン
  バリン
  スレオニン
  

• アスパラギン
  アスパラギン酸
  アラニン
  オキシプロリン
  グリシン
  グルタミン
  グルタミン酸
  セリン
  プロリン

• アルギニン
  ヒスチジン
  （システイン、チロシン）

1. アルギニン
   人間の精力増強のアミノ酸として有名です。男性精子の頭の部分は、主としてアルギニンでできています。これが不足すると性障害、不妊症になります。また、肝臓庇護の作用もあり、老廃物の無毒化と結合を防ぐ作用もあります。
   
2. メチオニン
   肝臓や腎臓の細胞の再生に必要です。肝臓の解毒作用を活発にして、肝臓壊死を防ぐよう作用します。また、毛豪に影響して毛髪の発育を刺激します。
   
3. フェニルアラニン
   甲状腺を刺激して、サイロキシンというヨードをふくむホルモンを分泌させます。このホルモンは、新陳代謝を促進させ、精神を安定化し、神経活動に必要で、血管保護の効果もあります。
   
4. リジン
   人間のからだの成長要素の大部分は、このリジンに依存しています。血液はリジンで養われ、抗体が形成されます。視力障害、たとえば、クモ網状角膜炎は、リジン摂取不足によるものと考えられ、筋肉の断続的痙攣を伴う疲労も、リジン不足によるものと考えられています。
   
5. ヒスチジン
   脳、神経は、このヒスチジンによって刺激され、養われます。
   
6. トリプトファン
   このアミノ酸によって、濃い、赤い血になります。若々しい皮膚や、つややかな毛髪もこれがなければ得られません。ビタミンBの機能を助けるので、食欲増進にも役立ち、神経の機能もトリプトファンによって促進されます。
   
7. イソロイシン、ロイシン
   ともに鎖式（脂肪族）アミノ酸で、蛋白質をつくるために、欠くことのできない成分です。
   
8. バリン
   頭脳活動の活力、筋肉運動の調整、情緒の安定に必要です。
   
9. スレオニン
   このアミノ酸によって、消火器管の機能が円滑になり、新陳代謝を進行させます。